シクラメンに魅了される


  植物研究家 吉川益夫              

昨年の暮れに買ったシクラメンは、私を魅了し続けています。

そのシクラメンを多くの人に魅了して頂きたいと思います。

(基本情報)

サクラソウ科 シクラメン属

開花期:10月~3月

和名:カガリビバナ(篝火花)、ブタノマンジュウ(豚の饅頭)


①シクラメンの蕾は?

蕾は下向きで頭を垂れています。

この時しか萼が見えないので、萼を数えてみました。萼は5枚でした。

②蕾が開き始めました

蕾が開き始めてもまだ花柄の先は下向きです。

         


③花弁がぐっと反り返ってきました

花弁は完全に上に反り返ってしまいました。花弁が開ききっても花柄の先は下向きです。

多くの花は水平に咲きますが、シクラメンは何故か下から上まで180度反り返って咲きます。


④この花は何故か水平に咲いているぞ!
花弁が水平に咲いている瞬間を初めて見ました。この状態の花は殆ど見ることがありません。このままの状態が美しいように思えるのですが、何故反り返って咲くのだろうか?
この状態だと花弁の数が分かり易いです。花弁は5枚でした。萼の数と同じ枚数です。
これを見て新たなことに気が付つきました。花弁の模様が5枚とも異なっています。これは面白くて見入ってしまいました。

⑤では同じ株の、他花弁の模様はどうなっているのだろうか?
変わった模様で、5枚とも模様が異なっていました。

またまた模様が異なっています。シクラメンの魅力に引き込まれそうです。

これは縦縞ばかりのようです。

この花も5枚とも模様が全く違っています。それに形も異なっています。

これも5枚とも違う模様です。おや、また新たなことに気が付きました。これら花弁には全て突起がついているではないか。へぇー、突起の付いた花弁もあるのだ。

これは突起があるのと無いのがあります。

わずか6個の花だけを紹介しましたが、こんなに変化に富んでいます。一株全部の花の模様を調べれば、数えられないほどの種類があることが分かりました。恐るべしシクラメンの花ですね!
分かり易くするために、似た模様だけの花弁を集めてみました。見事に全部異なっています。シクラメンの花の模様の凄さに本当に魅了されました。



⑥シクラメンの雄しべ、雌しべは?
雄しべ、雌しべを観察した人はあまりいないと思います。中央の白い円錐が雌しべで1本、その回りを囲んでいるのが雄しべで5本です。つまり萼、花弁、雄しべは同数の5つです。

⑦シクラメンは葉の模様も1枚1枚異なっています。一部を掲載します。是非葉も楽しんで下さい。

因みに、この葉は品種の違うもので、模様が全く異なっています。

※品種によって模様は異なることにご注意下さい。
※花の色が少し異なっているのは、咲き始めは鮮やかな色でしたが、後半になると色があせたためです。

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