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「六つ子」の椿の花!

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  植物研究家 吉川 益夫   先日、椿の花をよく観察したら、何か少し形が違うではないか?こんな椿の花を見たことがないぞー!蕊(しべ)が3カ所に分かれているのだ。えぇー、びっくり「三つ子」ではないかと大感動!   ※蕊とは、雄しべと雌しべのこと。 3つの蕊を外してみたのが、下の写真である。写真上側は中の蕊を外した後の花の根元部分である。 私は、花等の写真をほぼ毎日「花便り」として約20人に送っています。後日ある人から「我が家には「五つ子」の椿の花がありました」と連絡があったので、直ぐに調査に出掛けた。椿の花を観察すると本当に「五つ子」である。またまた大感動だ! 花の後ろ側から観察すると、花は間違いなく1個である。 花の中心部が何かモヤモヤしているではないか?中はどうなっているのだろうか?花の中心部を詳しく調べてみると、ここにも小さな蕊があるではないか。ということは、この花は「六つ子」だということだ。 花弁を観察していると、花弁の形、大きさ、色が異なっているようだ。花弁の一部を並べてみたのが下の写真である。左側(花の内側)の小さいのは、雄しべと小さな花弁があるようだが、よく分からない? もっと分かり易くしたのが下の写真である。右側が雄しべ、中央の2つが「雄しべが小さな花弁に変化中で、まだ雄しべ残存している」、左側がある程度大きくなった花弁である。つまり花弁は、雄しべが変化したものであることがはっきり分かる。 下の写真は、大きな花全体と雄しべが花弁に変化した小さな花弁(下側)である。 もっと分かり易くしたのが下の写真で、←は、小さな花弁が雄しべから変化したことが分かり易い。左側の→を見ると、まだ雄しべらしきものが残っているのが分かる。 最後に大きな花弁だけ表と裏を比較してみたら、形、模様、大きさが異なることが分かった。また、表と裏では模様が異なることも分かった。 椿の花には、このような面白いことが隠されています。まだまだ見方によってはもっと花を楽しむことができます。花を沢山の人が愛でて下さることを願いながら、今回は終わりたいと思います。有り難うございました。

シクラメンに魅了される

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  植物研究家 吉川益夫               昨年の暮れに買ったシクラメンは、私を魅了し続けています。 そのシクラメンを多くの人に魅了して頂きたいと思います。 (基本情報) サクラソウ科 シクラメン属 開花期:10月~3月 和名:カガリビバナ(篝火花)、ブタノマンジュウ(豚の饅頭) ①シクラメンの蕾は? 蕾は下向きで頭を垂れています。 この時しか萼が見えないので、萼を数えてみました。萼は5枚でした。 ②蕾が開き始めました 蕾が開き始めてもまだ花柄の先は下向きです。           ③花弁がぐっと反り返ってきました 花弁は完全に上に反り返ってしまいました。花弁が開ききっても花柄の先は下向きです。 多くの花は水平に咲きますが、シクラメンは何故か下から上まで180度反り返って咲きます。 ④この花は何故か水平に咲いているぞ! 花弁が水平に咲いている瞬間を初めて見ました。この状態の花は殆ど見ることがありません。このままの状態が美しいように思えるのですが、何故反り返って咲くのだろうか? この状態だと花弁の数が分かり易いです。花弁は5枚でした。萼の数と同じ枚数です。 これを見て新たなことに気が付つきました。花弁の模様が5枚とも異なっています。これは面白くて見入ってしまいました。 ⑤では同じ株の、他花弁の模様はどうなっているのだろうか? 変わった模様で、5枚とも模様が異なっていました。 またまた模様が異なっています。シクラメンの魅力に引き込まれそうです。 これは縦縞ばかりのようです。 この花も5枚とも模様が全く違っています。それに形も異なっています。 これも5枚とも違う模様です。おや、また新たなことに気が付きました。これら花弁には全て突起がついているではないか。へぇー、突起の付いた花弁もあるのだ。 これは突起があるのと無いのがあります。 わずか6個の花だけを紹介しましたが、こんなに変化に富んでいます。一株全部の花の模様を調べれば、数えられないほどの種類があることが分かりました。恐るべしシクラメンの花ですね! 分かり易くするために、似た模様だけの花弁を集めてみました。見事に全部異なっています。シクラメンの花の模様の凄さに本当に魅了されました。 ⑥シクラメンの雄しべ、雌しべは? 雄しべ、雌しべを観察した人はあまりいないと思います。中央の白い円錐が雌しべで1本、その回りを囲ん...