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大路の薬師堂

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12月中旬に曽於市観光ガイドの文化財研修がありましたので、その中の一つを紹介します。 それは鹿児島県 曽於市 末吉町 南之郷 大路集落にある薬師堂(木造薬師如来立像を祀る堂)です。薬師如来とは、仏教で衆生を病苦から救い、災難を除くという仏です。 薬師如来像の前には10体の小さな木像(高さは約17~18cm)がありますが、元々は12体あったそうです。この木造は薬師如来を守護する「十二神将」で、甲冑を着けた武将の姿をしており、「十二夜叉大将」とか「十二神明王」とも言うそうです。 これら木造薬師如来立像と木造十二神将立像は、室町時代に作られたもので令和3年3月に市指定文化財となりました。 また、薬師堂の敷地には五輪塔や肝付系宝塔、六地蔵塔の石造物が残されています。これら石造物は別の所にあったものを廃仏毀釈の頃、ここに移設したとのことでした。 この薬師堂に行くと、入り口からとても掃除が綺麗にされていることに感動します。これは大路さんを中心に地域の人が毎日掃除をしているからとのことでした。 この日嬉しかったことがありました。それは研修の日に大路さん夫妻がお出迎えして下さり、優しく説明して下さるとともに、朝早く薬師堂に供えた赤飯を振る舞って頂きましたことです。ご夫妻の笑顔と温かいおもてなしに心より感謝申し上げます。 研修の講師は曽於市教育委員会の文化財担当の加塩英樹さんで、詳細に説明して下さり本当に有り難うございました。   写真・執筆:吉川 益夫